海外療養費とは?透析で海外へ行く前に知る払い戻しと申請の注意点
透析を受けながら海外へ渡航するとき、多くの方が気になるのが「現地で支払った透析の費用は、あとで戻ってくるのか」という点です。日本には、海外で受けた医療費の一部を払い戻す「海外療養費」という制度があります。ただし、この制度にはいくつかの条件があり、透析のように計画して受ける医療の場合はとくに注意が必要です。この記事では、海外透析サポートのウーヴルCが、海外療養費のしくみと申請の流れ、透析で渡航する場合の注意点を、やさしく解説します。
海外療養費とは?帰国後に医療費の一部が戻る制度
海外療養費とは、日本の公的医療保険に加入している方が、海外渡航中に急な病気やけがで、やむを得ず現地の医療機関で診療を受けたとき、帰国後に申請することで、かかった医療費の一部の払い戻しを受けられる制度です。協会けんぽ・健康保険組合・国民健康保険など、加入している保険者へ申請します。
ただし、払い戻される金額は、実際に海外で支払った全額ではありません。この点を含め、次から詳しく見ていきましょう。
対象になるのはどんな場合?透析での注意点
▶ 支給される2つの要件
協会けんぽの案内によると、海外療養費が支給されるのは、次の両方を満たす場合とされています。
ひとつは、日本国内で保険診療として認められている医療行為であること。もうひとつは、治療を目的として海外へ渡航し、診療を受けた場合ではないことです。つまり、はじめから治療を受けるために海外へ行った場合は、対象になりません。
▶ 透析で渡航するときはとくに事前確認を
ここが、透析を受けている方にとって大切なポイントです。旅行や出張が主な目的で、その滞在中にふだん受けている透析を継続するケースと、「治療を目的とした渡航」との線引きは、一律ではありません。旅行や出張の途中で受ける透析が海外療養費の対象になるかどうかは、加入している保険者の判断によります。
そのため、渡航を計画する段階で、あらかじめご自身の保険者(協会けんぽ・健康保険組合・お住まいの市区町村など)に、対象になるか・どんな書類が必要かを確認しておくことをおすすめします。「戻ると思っていたのに対象外だった」という行き違いを防ぐためにも、事前の確認が欠かせません。
いくら戻る?支給額の考え方
海外療養費の支給額は、日本国内の医療機関で同じ傷病を治療した場合にかかる治療費を基準に計算した額(実際に海外で支払った額のほうが低いときはその額)から、自己負担相当額を差し引いた額とされています。
大切なのは、日本国内の医療費が基準になるという点です。海外の医療費は日本より高額なこともありますが、その場合でも日本の基準で計算されるため、現地で支払った金額がそのまま戻るわけではありません。また、外貨で支払った医療費は、支給が決まった日の為替レート(売レート)で円に換算して計算されます。
国ごとの透析費用の目安や、費用がどう決まるかについては費用についてもあわせてご覧ください。
申請に必要な書類と時効
海外療養費の申請には、一般的に次のような書類が必要とされています。
▶ 海外療養費支給申請書
▶ 診療内容明細書(様式A・C)
▶ 領収明細書(様式B)
▶ 現地で受け取った領収書の原本
▶ パスポートなど海外へ渡航した事実が確認できる書類
▶ 調査に関する同意書
診療内容明細書や領収明細書は、現地の医療機関に記入してもらう書類です。帰国後に依頼すると時間がかかることも多いため、指定の様式をあらかじめ持参して、現地で記入してもらうと安心です。また、これらの書類には日本語の翻訳文を添える必要があり、翻訳文には翻訳者が署名し、住所と電話番号を明記することとされています。
申請には期限もあります。海外で治療費を支払った日の翌日から2年を過ぎると、時効により申請できなくなるとされています。帰国後は早めに手続きを進めましょう。
渡航前にやっておきたいこと
海外療養費をスムーズに申請するために、渡航前に次の3点を整えておくと安心です。
まず、保険者への事前確認です。前述のとおり、透析での渡航が対象になるかは保険者の判断によるため、いちばん先に確認しておきましょう。次に、申請書類の様式を入手し、持参すること。現地で記入してもらう様式を用意しておくと、帰国後の手続きが楽になります。そして、急な病気やけが、盗難やフライトの遅延などに備えた海外旅行保険への加入もご検討ください。ただし、透析を受けている方の加入条件は保険会社によって異なるため、早めに確認することをおすすめします。
渡航全体の流れはご利用の流れ、海外透析の基本的な考え方は海外透析サポートとはで説明しています。国ごとの準備のイメージは韓国で透析を受けるには?もご参考ください。
海外透析の費用・手続きのご相談はウーヴルCへ
海外療養費は制度が細かく、必要書類や保険者への確認など、はじめての方には分かりにくいところもあります。ウーヴルCは、透析を受けながら渡航される方の施設手配や書類準備をサポートしており、費用や手続きに関するご相談もお受けしています。「何から確認すればよいか分からない」という段階からで結構です。ご相談・お見積りは無料です。
ご相談はLINE、またはお問い合わせフォームから承っています。
※当社は医療機関ではありません。海外療養費の支給の可否や金額、対象となるかどうかは、加入先の保険者の審査・判断によります。制度の内容や必要書類、様式は変更されることがあるため、最新の情報はご自身の保険者(協会けんぽ・健康保険組合・市区町村など)の公表情報をご確認ください。

