透析患者さんの海外旅行に同行するご家族へ|準備と現地で手伝えること
「透析を受けている家族と、海外旅行に行くことになった」「付き添いとして、何をしておけばいいのだろう」——ご本人だけでなく、一緒に行くご家族も不安を感じるものです。透析の予約や主治医への相談はご本人が中心になりますが、同行するご家族が分担できる準備も少なくありません。
この記事では、透析を受けている方の海外旅行に同行するご家族に向けて、出発前に分担できること、現地で手伝えること、日本に残るご家族との備えを、海外透析サポートのウーヴルCが整理します。
なお当社は医療機関ではなく、提携施設のご紹介・予約手配などを行う事業者です。海外へ行ってよいかどうか、透析の回数や条件、食事・水分の量は主治医の判断、現地での受け入れの可否や条件は渡航先の透析施設の判断によります。記事中の透析施設に関する部分は、渡航先の透析施設で透析を受ける場合を前提にしています。腹膜透析(CAPD・APD)を受けている方は、そのまま当てはまらないことがあるため、旅行中の準備や同行するご家族に手伝ってほしいことを、主治医・通院先にご相談ください。
まず「ご本人と主治医が決めること」と「家族が手伝えること」を分けます
付き添う立場だと、つい何でも先回りしたくなるものです。ただ、旅行に行けるかどうか、旅行先で何回透析を受けるか、食事や水分をどこまで控えるかといった治療にかかわることは、ご本人と主治医が決めることです。全国腎臓病協議会(全腎協)の「旅行について」でも、海外旅行が可能かどうかをかかりつけ医に相談すること、旅行先での透析回数はかかりつけ医の指示に従うことが、準備の流れの中に書かれています。
そのうえで、ご家族が手伝いやすいのは、日程の組み立て、書類や予約情報の控え、移動や道順の確認、日本に残る家族との連絡といった「段取り」の部分です。ご本人が望む場合は、旅行の相談で主治医を受診するときに同席し、注意点を一緒に聞いておくと、現地で同じ認識のまま動きやすくなります。
出発前にご家族が分担できること
▶ 透析の日を先に置いて、観光の予定を組みます
全腎協は、海外旅行の日程は飛行時間や時差を考えて余裕をもって組むよう勧めています。ご家族が旅程を考えるときは、まず透析を受ける日と時間帯を予定表に置き、その前後に観光や移動を入れる順番にすると無理が出にくくなります。透析の日は、送り迎えの時間と、透析中にご家族がどう過ごすかも決めておきましょう。付き添いの方が透析中に施設内で待てるかどうかも、予約のときに施設へ確認しておくと安心です。
▶ 予約確認や書類の控えを、家族も持っておきます
透析施設の予約確認、英文の診療情報提供書の控え、海外旅行保険の契約内容などは、ご本人だけでなくご家族も控えを持っておくと、どちらかの荷物が見当たらないときにも慌てずに済みます。持っていく書類は海外透析に必要な書類は?英文の診療情報提供書と準備スケジュール、体調を崩したときの連絡先の一覧は海外旅行中に体調を崩したら?透析患者さんが出発前に決めておく連絡先と備えでまとめています。なお、現地で命に関わるような緊急のときは、まず現地の救急へ連絡してください。
▶ 飛行機の座席は並びで、通路側も検討します
全腎協は、長時間のフライトではむくみ防止のために体を動かすこと、通路側の座席だと体を動かしやすいことを挙げています。座席を指定するときは、並びの席にしたうえで、ご本人が通路側に座れるようにしておくと、立ち上がるときに声をかけ合いやすくなります。機内での過ごし方は人工透析で飛行機に乗るときの注意点をご覧ください。
現地でご家族が手伝えること
▶ 透析施設までの道順を、前もって確かめます
全腎協によると、海外の透析施設は大きな病院の中にあったり、看板が分かりにくかったりして、慣れない場所では探すのに苦労することがあります。宿泊先で行き方を教えてもらうなど、場所と行き方をあらかじめ確認しておくよう勧めています。また、透析が始まる前に説明がある場合もあるため、少し早めに着くようにするとよいとしています。透析の前日など余裕のある時間に、ご家族が道順や所要時間を確かめておくと、当日のご本人の負担を減らせます。
▶ 食事のお店選びを一緒に考えます
旅行中は食事も楽しみのひとつですが、全腎協は、思いがけず食事量が増えることがあるとして、塩分やカリウムの多い食事に気をつけるよう呼びかけています。ご家族はお店やメニューを選ぶ段階から一緒に考えると、ご本人だけが我慢する形になりにくくなります。ただし、何をどれだけ食べてよいかはご本人の治療によって違うので、量の判断はふだんの主治医や透析スタッフからの指示に沿ってください。
▶ 通訳役をひとりで背負いすぎないようにします
ご家族に語学が得意な方がいると、現地でのやり取りを任されがちです。ただ、透析の条件や体調にかかわる言葉は専門的で、慣れない土地で通訳役を続けるのは負担が大きくなります。家族と医療通訳の使い分けは医療通訳とは?海外で透析を受けるとき言葉の不安をどう埋めるかでご紹介しています。
日本に残るご家族との備えも
旅行に行かず日本に残るご家族がいる場合は、日程や宿泊先、予約している透析施設の情報を共有しておきましょう。外務省の海外旅行登録「たびレジ」は、日本の家族などのメールアドレスも一緒に登録でき、登録すれば家族も安全情報を受け取れると案内しています。よくある質問では、ご本人以外にご家族や職場の方なども追加で登録できること、その場合は事前にメールアドレスの持ち主の同意を得ることが書かれています(2026年10月時点)。
また、外務省の海外安全ホームページは、海外旅行保険に加入すると概ね受けられるサービスの一つとして、救援者(家族等)の渡航・宿泊費用を挙げています。日本から家族が駆けつける事態に備えて、補償の内容や連絡の流れを家族で共有しておくと安心です。ただし、透析を受けている方の場合、持病が急に悪化したことが原因のときに補償されるかどうかは、保険会社や商品、特約によって扱いが異なり、補償の対象にならない場合もあります。救援者費用を含めてどこまで補償されるかは、加入前に保険会社へご確認ください。透析を受けている方の保険の注意点は人工透析でも海外旅行保険に入れる?補償の範囲と海外療養費との違いで解説しています。同行するご家族自身の保険も、あわせて確認しておきましょう。
ご家族を含めた旅の計画もご相談ください
ウーヴルCの海外透析サポートでは、透析のスケジュールに無理のない旅程づくりのご相談に加えて、ご家族・お付き添いの方の旅行手配も承っています。「家族の予定も透析に合わせて組みたい」「付き添いとして何を準備すればよいか一緒に整理したい」という段階でも構いません。よくあるご質問はよくある質問、手配から帰国後までの進み方はご利用の流れでご確認いただけます。ご相談・お見積りは無料です。
ご確認ください
当社は医療機関ではなく、提携施設のご紹介・予約手配・各種サポートを行う事業者です。また、保険の募集・代理店業務を行う事業者ではありません。本記事は一般的な情報の整理であり、個別の医学的な判断に代わるものではありません。海外へ行ってよいか、透析の回数や条件、食事・水分の量は、必ず主治医の指示に従ってください。現地での受け入れの可否・条件・費用、付き添いの方の待機の扱いは、渡航先の透析施設の判断や予約状況によって異なります。各制度・サービスの内容は変わることがあるため、出発前に最新の公式情報をご確認ください。
出典:一般社団法人 全国腎臓病協議会「旅行について」/2026年10月時点、外務省「たびレジ」トップページ/2026年10月時点、外務省「たびレジ」よくある質問/2026年10月時点、外務省 海外安全ホームページ「海外旅行保険加入のおすすめ」/2026年10月時点。本記事では、各ページの内容を一部要約・編集して紹介しています。


